エール:喪失と再生の物語、その1
エールで扱われる戦後の物語。
まずは裕一さん。
吟さんのご主人:智彦さん。
そして誰もが心配する久志さん。
それぞれが再生していく姿、もっとじっくり見たかったですね…
多分、10話削られた影響なんでしょうが…もっと見たかった…
今回は、それぞれにキーマンがいました。
まず智彦さん。
ラーメン屋の店主:天野さんと浮浪児:ケンちゃん、そして、妻:吟さん。
天野さん…山中崇さん、好きな俳優の1人なんですが…今回、特にカッコよかった♡
厳しいながらも温かいラーメン屋店主…あれ?つい最近まで、どこかにこんな職人がいた気が…
天野さんが智彦さんの余計なプライドを捨てさせた言葉
「まず、その大層な服を脱げ!」
一回目と二回目では、意味合いが違いましたね。
友人の誘いを断って天野さんの元に戻ってきた時のその言葉は、深い愛情がこもっていました。
そして、ラーメン屋としてのプライドを持った智彦さんに、厳しく教える天野さん。
天野さんが智彦さんにこの屋台を任せると決めたのは、智彦さんが帰ってきた直後だったのでしょうか…智彦さんも、辞める前以上に頑張っていましたし…
そして別れの時…天野さんの普段ニコリともしない仏頂面が「ニヤリ」としながら後向きで手を振って去るところ、撃ち抜かれました…
カッコイイ…♡
ケンちゃん。
生意気なクソガキ…だと思っていましたが、誰よりも愛情が必要だったんですね…
戦後は、こういう子供が溢れていたという事でしょうか…
智彦さんが天野さんからラーメン屋を引き継ぐ時に、ケンちゃんに住み込みで働いてくれ(←ここ、ポイント)!と誘ったのに「俺は独りが好きなんだ」って断るシーン…そこでまず思ったのは…兄弟はどうしたの?という事。
盗みを働いていたのも、兄弟を食べさせるためだったはず。
もしかして…本当に家族が誰もいなくなっちゃったのかな…
そして、智彦さんのところに行くことで、迷惑かけるんじゃないか…と心配したんじゃないかな…と…
あと、昔の智彦さんなら「お前、俺の養子になれ!」と命令したでしょうが…
今は「頼む!手伝ってくれ!」
軍服と共に、余計なプライドも脱いだ智彦さん。
そして、養子じゃなくて「住み込み」という言葉で、ケンちゃんのプライドを傷付けない選択をした智彦さん。
…カッコイイ…
結局ケンちゃんが「…おばさん(吟さん)の飯が美味いから、いいぜ」と誘いを快諾し、2人で抱き合うシーンのケンちゃんの笑顔、ずっとツッパってないと生きて来れなかったんだなぁ…そして、そんなケンちゃんが智彦さんを、智彦さんがケンちゃんを救ってたんだなぁ…と、感動しました。
最後、吟さんと3人で屋台を引き継いでるシーン、幸せそうでした。
そして、吟さん。
結婚して以来、本当に辛かったと思います。
特に出征時に「どうぞご無事で」という言葉に智彦さんが「軍人に無事を願う奴がいるか!」と恫喝するシーン。
何て冷たいんだろうと腹立たしかったのですが…
智彦さん自身も「ツッパってないと生きていけない」状態だったんですね。
戦後、抜け殻のような夫を叱咤し、ラーメン屋に務めだしてからどんどん変わっていく夫を温かく見守り、折角就職出来たのに、やっぱりラーメン屋に戻りたい気持ちが残る夫を応援し、最終的に「夫の友達:ケンちゃん」を無断で連れ帰って世話してしまう吟さん。
すてきですね。
からの、3人で屋台を引き継いでるシーン。
本当に涙が出ました…
あー、もう少しじっくりこの話を見たかった…
本当にいい話でした。
長くなったので、裕一さんと久志さんの話は、次回。